1994 年 47 巻 8 号 p. 1085-1090
産婦人科領域の感染症に対するImipenem/Cilastatin sodium (IPM/CS) の有効性と安全性を山形県内産婦人科の多施設で検討し, 以下の成績を得た。
産婦人科感染症 (n=64), 尿路感染症 (n=9), その他感染症 (n=21) を対象とし, IPM/CS1~2g/日の点滴静注による臨床効果では, 有効率92/94 (97.9%) であった。産婦人科感染症に対しては62/64 (96.9%), 尿路感染症9/9(100%), その他感染症21/21 (100%) の各有効率を示した。
分離菌別臨床効果では有効率36/37 (97.3%) を, 菌消失率は32/33 (97.0%) と高かつた。本剤投与による自他覚的副作用は下痢 (n=1) のみであり, 臨床検査値異常は認められなかった。
以上の成績から, 産婦人科領域感染症に対するIPM/CSの高い有用性が示唆された。