1995 年 48 巻 1 号 p. 92-102
SY5555ドライシロップの基礎的, 臨床的検討を行い以下の結果を得た。
1. 抗菌力では, 臨床分離52株に対する本剤のMICをClavulanic acid/Amoxicillin (CVA/AMPC), Cefotiam (CTM), Cefpodoxime (CPDX), Cefaclor (CCL), Cefdinir (CFDN) と比較したところ, グラム陽性球菌に対してはこれらの薬剤と同等もしくはより優れた値であったが, グラム陰性菌に対しては, Haemophilus influenzae, Klebsiella pneumoniaeでやや低い値であった。
2. 小児47例に使用した臨床効果は有効以上が40例で有効率は85.1%であった。
3. 細菌学的効果は30株について検討し, 消失は23株で消失率は76.7%であった。
4. 副作用, 臨床検査値異常として下痢, 軟便が8例, 蕁麻疹が1例, 好酸球増多が1例にみられた。
5. 48例中32例が好んでまたは進んで服用し, 服用性についても良好な製剤であった。
以上の結果から, SY5555は小児の感染症治療に対して有効性, 安全性の高い薬剤であると考えられた。