The Japanese Journal of Antibiotics
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48 巻, 1 号
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  • 1995 年 48 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 松本 哲朗, 古賀 宏延
    1995 年 48 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 池 康嘉, 和田 光一
    1995 年 48 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 田島 剛, 小林 正明, 畑 衛, 根岸 祥子, 窪田 和興, 飯塚 雄俊, 萩原 教文, 工藤 聡, 中山 豊明, 阿部 敏明
    1995 年 48 巻 1 号 p. 31-40
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児におけるSY5555の基礎的・臨床的検討を行った。臨床検討の対象は, 1ヵ月から10歳までの15例であった。投与方法は1回5mg/kg, 1日3回 (溶連菌感染の1例は1回5mg/kg, 1日2回), 食前経口投与を4~11日間行った。
    細菌感染症13例 (肺炎1例, 気管支炎2例, 上顎洞炎1例, 中耳炎2例, 咽頭炎5例, 胃腸炎1例, 腎盂腎炎1例) に対する有効率は100%であった。2例を判定不能としたが1例はウイルス性発疹症, 1例は鼻根部の皮下に発生した悪性リンパ腫であった。起炎菌が判明し判定可能な症例では10例中7例が著効, 有効が3例と著効率が勝っており, 全例有効以上であった。
    臨床的副作用では下痢が1例, 検査値異常では1例にGPTの上昇が認あられた。
    細菌学的効果を判定し得た10例からは, 7菌種13株が分離された。菌種別にみると, Streptococcus pneumoniae 1/3, Haemophilus influenzae 2/2, Streptococcus pyogenes 4/4, Salmonella spp. 1/1, Escherichia coli 1/1がそれぞれ消失した。
    1例についてSY5555を4.9mg/kg, 食前経口投与し, 血中濃度を測定した。SY5555の最高血中濃度は投与後1時間にあり, 1.15μg/mlであった。
    以上の成績とSY5555の肺炎球菌を初めとするグラム陽性球菌に対する強い抗菌力から, 本剤は小児の気道感染症, 皮膚軟部組織感染症, 尿路感染症の初期治療に単剤で使用し得る有望な抗生物質と考えられた。
  • 目黒 英典, 藤井 良知, 寺嶋 周
    1995 年 48 巻 1 号 p. 41-48
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    35例の各種小児科領域感染症において新経口ペネム薬SY5555の臨床的検討を行い, 猩紅熱, 咽頭扁桃炎, 肺炎, 中耳炎, 細菌性下痢症, 尿路感染症および皮膚軟部組織感染症において, 100%の有効率が得られた。Salmonella sp.以外の除菌効果は良好であった。副作用は55例で検討でき, 3例 (5.5%) に下痢・啓部カンジダ症, 軟便, 啓部カンジダ症を認めただけであった。投与量は1日15mg/kg分3が標準で, 必要な場合は2倍量まで用いるのがよいと考えられた。
  • 新納 憲司, 重田 みどり, 桑畑 圭子, 鈴木 博之, 佐藤 肇
    1995 年 48 巻 1 号 p. 49-70
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新規経口ペネム系抗生剤SY5555小児用ドライシロップを小児に使用して次の結果が得られた。
    1. 小児の上, 下気道炎, 百日咳, 猩紅熱, 伝染性膿痂疹, 尿路感染症, 急性腸炎等の45例に, SY5555を1日3.4~10mg/kgの3分割投与を3~14日間行った。
    2. 臨床効果は, 著効27例, 有効15例, やや有効1例, 無効2例で有効率は93.3%で明らかな臨床効果を認めた。
    3. 体内動態は, 5mg/kg投与後 (3例) の最高血中濃度は1ないし2時間値にあり, それぞれ0.89, 0.75, 0.31μg/mlであり, T1/2は3例平均0.81時間であった。10mg/kg投与後 (2例) の最高血中濃度は1ないし2時間値にあり, 1.07, 3.16μg/mlでT1/2は2例平均1.08時間であった。尿中排泄率は5mg/kg投与後6時間までで, 3例平均で2.97%であった。10mg/kg投与例も6時間までで, 2例平均3.96%であった。
    4. 細菌学的効果は起炎菌と推定された臨床分離株11菌種39株において, 菌消失率は78.9%であった。
    5. 副作用は, 下痢が1例, 臨床検査値において好酸球増加が1例みられた。
    6. 服用性の難易性については, 1例の服薬拒否もみられなかった。
  • 豊永 義清, 石原 俊秀, 手塚 徹, 中村 弘典
    1995 年 48 巻 1 号 p. 71-91
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新経口用ペネム系抗生物質であるSY5555ドライシロップについて基礎的・臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1. 抗菌力
    臨床分離のStaphylococcus aureus, Coagulase negative staphylococci, Streptococcus pneumoniae, Streptecoccus pyogenes, Haemophilus influenzae, Moraxella catarrhalis, Escherichia coli, Enterobacter cloacaeに対するMICをSY5555, Clavulanic acid/Amoxicillin (CVA/AMPC), Cefotiam (CTM), Cefpodoxime (CPDX), Cefaclor (CCL), Cefdinir (CFDN) について106CFU/ml接種時において検討した。SY5555のS. aureus, CNS, S. pneumoniae, S. pyogenes, H. influenzae, M. catarrhalis, E. coli, E. cloacaeに対するMIC80は0.2, 0.2, 0.2, ≤0.025, 0.78, 0.2, 0.78, 3.13μg/mlであり優れた成績を示した。H. influenzaeおよびE. coliに対してCPDX, CFDNより劣った成績を示したが, 他の菌種については, 比較薬中一番優れた成績を示した。
    2. 吸収・排泄
    今回, SY5555の5mg/kg (以下投与は全て力価表示), 10mg/kg食後投与における血漿中濃度推移, 尿中回収率を検討した。5mg/kg, 10mg/kgとも1時間に血漿中濃度ピークを示し, それぞれ0.25~2.61μg/ml (平均1.47μg/ml), 1.08~2.17μg/ml (平均1.74μg/ml) であり, その後速やかに漸減し, 6時間ではそれぞれ0.06~0.19μg/ml (平均0.12μg/ml), 0.0503~0.0637μg/ml (平均0.057μg/ml) となった。半減期は5mg/kg, 1.12時間, 10mg/kgにて1.0時間であった。尿中回収率は, 5mg/kgは8時間迄, 10mg/kgは6時間迄検討したが, 前者は1.05~12.3%, 後者は1.6~4.33%と低い値を示した。
    3. 臨床成績
    急性肺炎4例, 急性気管支炎13例, 扁桃炎11例, 咽頭炎3例, 猩紅熱12例, 百日咳2例, 尿路感染症, 中耳炎各々6例, リンパ節炎7例, ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群, 蜂窩織炎各々2例, 膿痂疹4例, 化膿性耳下腺炎1例の計73例に対する臨床効果は, 判定不能の3例を除き70例中, 有効以上の成績は66例であり, その有効率は94.3%であった。細菌学的検討として, 本剤投与前に検出された起因菌あるいは原因菌の経過を観察した。検索が可能であったものは, 複数菌感染7例を含む50例, 57株であり8株が除菌されず, 除菌率は86.0%であった。又, 細菌学的有効率は50例中42例の有効にて, 84.0%を示した。なお, 1例の軽度の水様便を認めた以外, 副作用は認めず, 臨床検査値の異常変動は全例において認めなかった。
  • 横田 隆夫, 秋田 博伸, 佐藤 吉壮, 岩田 敏, 砂川 慶介
    1995 年 48 巻 1 号 p. 92-102
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    SY5555ドライシロップの基礎的, 臨床的検討を行い以下の結果を得た。
    1. 抗菌力では, 臨床分離52株に対する本剤のMICをClavulanic acid/Amoxicillin (CVA/AMPC), Cefotiam (CTM), Cefpodoxime (CPDX), Cefaclor (CCL), Cefdinir (CFDN) と比較したところ, グラム陽性球菌に対してはこれらの薬剤と同等もしくはより優れた値であったが, グラム陰性菌に対しては, Haemophilus influenzae, Klebsiella pneumoniaeでやや低い値であった。
    2. 小児47例に使用した臨床効果は有効以上が40例で有効率は85.1%であった。
    3. 細菌学的効果は30株について検討し, 消失は23株で消失率は76.7%であった。
    4. 副作用, 臨床検査値異常として下痢, 軟便が8例, 蕁麻疹が1例, 好酸球増多が1例にみられた。
    5. 48例中32例が好んでまたは進んで服用し, 服用性についても良好な製剤であった。
    以上の結果から, SY5555は小児の感染症治療に対して有効性, 安全性の高い薬剤であると考えられた。
  • 岩井 直一, 中村 はるひ
    1995 年 48 巻 1 号 p. 103-128
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    我が国初のペネム系経口抗生物質であるSY5555の小児用細粒剤について, 小児科領域における基礎的, 臨床的検討を行った。
    1. 1993年に臨床分離されたstreptococcus pneumoniae 42株に対する本剤の抗菌力をβ-ラクタム剤を中心とした他の13薬剤と比較検討した。本剤の最小発育阻止濃度 (MIC) は全株0.39μg/ml以下に分布し, Benzylpenicillin (PCG) 耐性株にも優れた値を示した。また, MIC50及びMIC90値を指標として各薬剤の抗菌力を比較すると, 本剤はPCG感受性株に対してはCefazolin (CEZ), Cefotaxime (CTX), Cefuzonam (CZON), Amoxicillin (AMPC) 及びImipenem (IPM) とほぼ同等で最も優れ, またPCG中等度耐性株ではIPM, 高度耐性株ではCTX, CZON及びIPMと並んで最も優れていた。
    2. 本剤で加療された小児16例において, 5mg/kgもしくは10mg/kgを空腹時あるいは食後投与した際の血漿中濃度推移と尿中排泄について検討するとともに, 本剤で加療中の5例においてその糞便中濃度を測定した。
    年長児5例 (5~12歳) 及び6例 (10~13歳) に本剤5mg/kgを食後及び空腹時に投与した際の血漿中濃度推移は, いずれも投与1時間後にピークがあり, その値はそれぞれ0.93±0.25μg/ml, 2.44±1.25μg/mlで, その後は1.95±1.09時間, 0.72±0.21時間の半減期をもって漸減し, 投与後6時間までの尿中回収率はそれぞれ1.98±0.82%, 4.13±1.40%であった。また, 年長児3例 (6~9歳) に10mg/kgを食後投与した際の血漿中濃度は, 投与1時間後の1.58±0.81μg/mlがピークで, 半減期は1.08±0.30時間であり, 投与後6時間までの尿中回収率は3.46±1.03%であった。さらに, 乳児2例 (2, 3ヵ月) に10mg/kg, 食後投与後の血漿中濃度については, 投与1時間後の3.74μg/mlがピークで, 半減期は1.19時間であった。
    また, 年長児5例 (2~9歳) において, 1回5~10mg/kgを1日3回投与中に測定した糞便中濃度はく0.05~47.8μg/gであった。
    3. 小児期感染症35例を対象にして臨床効果, 細菌学的効果, 安全性及び服用性について検討を行った。尚, 臨床効果, 安全性ともに評価のできなかった4例を除いた31例に対する投与量は1回4.4~14.6mg/kgで, 1日の投与回数は全例3回, また投与日数, 総投与量はそれぞれ3~14日, 0.75~8.10gであった。
    臨床効果の判定対象となった狸紅熱1例, 急性化膿性扁桃炎12例, 急性気管支炎4例, 急性肺炎6例, 百日咳1例, 急性尿路感染症3例, 膿痂疹2例, 計29例に対する臨床効果は, 著効17例, 有効12例で, 全例において有効以上の成績がえられ, 有効率は100.0%であった。また, 原因菌と推定されたStaphylococcus aureus 4株Streptococcus pyogenes 4株, Streptoccus pneumoniae1株, Moraxella (Branhamella) catarrhalis 1株, Haemophilus influenzae 4株, Escherichia coli 2株, Bordetella pertussis 1株に対する細菌学的効果は, 減少あるいは存続と判定されたH. influenzae 2株と投与後の菌検索がなされなかったB.pertussisを除いてはすべて消失と判定され, 菌消失率は87.5%であった。また, 菌交代のみられた症例はなかった。
    副作用については, 下痢が1例, 軟便が1例認められただけで, その程度はいずれも軽度であった。また, 臨床検査異常についても, 軽度の好酸球増多が2例にみられただけで, しかもそのうち1例では正常化を確認しえた。
    また, 服用性については, のみにくいあるいはのめないと訴えた者は一人もおらず, 全例がのみやすいとの評価を寄せた。
    以上の結果より, 本剤は小児期の各種感染症に対し高い治療効果が期待でき, しかも安全に投与できる薬剤であると考えられた。
    SY5555は, サントリー株式会社生物医学研究所で合成され, 山之内製薬株式会社とサントリー株式会社により共同開発されている我が国初のペネム系経口抗生物質である1)。本剤はペネム環上の2位にテトラヒドロフリル基を導入したもので, 好気性及び嫌気性のグラム陽性菌, 陰性菌に幅広い抗菌スペクトラムを有し, 各種β-ラクタマーゼに対しても従来の経ロセフェム剤より安定である1)。特に, Staphylococcus aureus, Enterococcus faecalisを含むグラム陽性菌やBacteroides, Peptostreptococcus等の嫌気性菌に対する強力な抗菌力は本剤の大きな特長の1つと考えられている1)。また, 本剤は各種細菌に対する最小発育阻止濃度 (MIC) と最小殺菌濃度 (MBC) とにほとんど差がなく, S. aureus, Escherichia coliの増殖曲線に及ぼす影響や形態学的観察等においても強い殺菌作用を有する成績が示されている1)。さらに, 本剤は原体吸収型を特徴としており, 成人に150mg, 300mgを投与した場合にえられる最高血中濃度 (Cmax) はそれぞれ2.36μg/ml, 6.24μg/mlと高く, 既存の経口β-ラクタム剤とほぼ同等あるいはそれ以上の吸収を示すと報告されている1)。今回我々は, 本剤の小児用細粒剤についての有効性, 安全性等を検討する研究会が組織されたことから, その一員として基礎的, 臨床的検討を行ったので, その結果を報告する。
  • 久野 邦義, 小川 昭正, 早川 文雄, 宮島 雄二, 高橋 秀明, 奥村 彰久, 加藤 徹, 糸見 和也
    1995 年 48 巻 1 号 p. 129-132
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新しい経ロペネム系抗生物質であるSY5555のドライシロップ剤にっき, 小児科領域における臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. 本剤を10例の小児各種細菌感染症 (急性扁桃炎2例, 急性気管支炎2例, 咽頭炎1例, 狸紅熱2例, 百日咳1例, 尿路感染症2例) に投与した。有効率は90%であった。
    2. 副作用として1例に軟便が, 検査値異常として1例に好酸球増多が認あられた。
  • 北村 賢司, 庵原 俊昭, 神谷 齊, 中野 貴司, 伊藤 正寛, 櫻井 實
    1995 年 48 巻 1 号 p. 133-139
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    3ヵ月から9歳6ヵ月の小児24例に3.3~10.2mg/kg×3/日を1~9日間投与し, SY5555の小児感染症に対する有効性及び安全性にっき検討した。SY5555を投与した24例中, 川崎病が基礎疾患にあった1例と初回時以降来院しなかった1例の計2例を除いた22例を有効性解析の対象とした。対象疾患は呼吸器感染症16例, 尿路感染症1例, 皮膚軟部組織感染症5例であった。有効率は100% (22例), 除菌率は100% (5例) であった。副作用は認めなかった。
  • 庭野 吉己, 近江 哲人, 金井 和夫, 浜口 洋, 内田 勝久, 山口 英世
    1995 年 48 巻 1 号 p. 140-145
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Candida albicans保存株9株および皮膚カンジダ症患者から得られたC.albicans新鮮分離株10株に対するLanoconazole (LCZ) のin vitro抗菌活性をSABOURAUD's glucose broth (SGB) を用いた液体希釈法ならびにSABOURAUD's glucose agar (SGA) およびCasitone agar (CA) の2種の培地を用いた寒天希釈法により測定した。その結果, 保存株および新鮮分離株ともCAで測定したLCZのMICは0.63~5μg/mlの範囲に分布し, SGBおよびSGAでのそれに比し8~64倍低い値となった。また, 試験培地ごとに得られたLCZのMICの分布範囲およびその幾何平均値を保存株と新鮮分離株で比較すると, 両者間に大差は認めず, 両者は基本的に同一感受性をもつことが示された。
    上記の成績より, C. albicans保存株および新鮮分離株のいずれもLCZに対して基本的に同一感受性をもっこと, およびLCZの抗カンジダ活性はSGBやSGAに比しCAでより高感度に検出されることが明らかとなった。
  • 庭野 吉己, 金井 和夫, 浜口 洋, 内田 勝久, 山口 英世
    1995 年 48 巻 1 号 p. 146-149
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    抗真菌剤Lanoconazole (LCZ) の白癬菌に対する殺菌的活性, およびLCZ耐性獲得の可能性をin vitro条件下で検討した。セロファン膜測定法により測定したLCZのTrichophyton mentagrophytes6株およびTrichophyton rubrum 6株に対する最小殺菌濃度 (MCC) は0.063~0.5μg/mlの範囲内に分布し, 対照薬剤のBifonazole (MCC: 16~32μg/ml) よりも強い殺菌的活性を示した。LCZ含有サブロー平板培地上でT. mentagrophytes 2菌株を15代に亘って継代培養を行った結果, その間LCZ感受性の1/4以下の低下は認あられなかったことから, T. mentagrophytesのLCZ耐性獲得能は低いことが示唆された。
  • 庭野 吉己, 田淵 龍夫, 金井 和夫, 浜口 洋, 内田 勝久, 山口 英世
    1995 年 48 巻 1 号 p. 150-154
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    モルモット背部に作成した体部白癬モデルにおけるLanoconazole軟膏局所塗布による治療効果を, 皮膚症状の改善度および局所皮膚組織の菌陰性化を指標にして同クリームのそれと比較検討した。
    0.25%, 0.5%および1%Lanoconazole軟膏投与群では, いずれにおいても薬剤無投与対照群に比べて有意な皮膚症状の改善および真菌学的治療効果が得られた。特に0.5%以上の濃度の同軟膏塗布群では, 各10例の局所皮膚組織すべてに完全な菌陰性化が認められた。各濃度のLanoconazole軟膏の治療効果を対応する濃度のLanoconazoleクリームと比較した結果, いずれの濃度でも有意な差はなく, 本モデルに対しては両剤型が同等の薬効を有することが示された。
  • 第1報抗菌性物質の存在により生じる偽陰性の問題点
    出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 清次
    1995 年 48 巻 1 号 p. 155-162
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    日常検査で使用されている尿中細菌の半定量簡易培地としてのDip-slide法は, 我が国における「UTI薬効評価基準」でも推奨されていることから, 現状で上市されている複数の製品を使用して, 尿中に含まれている抗菌性物質の存在がDip-slide法による培養成績に与える影響などを検討し, 以下の結果を得た。
    1. ウリカルトE®とダイアスライド®は, 患者尿を対象とした単独菌検出例では両者の相関は高く, 加えて常法の標準エーゼ法の定量培養とも両者の結果は相関を示した。
    2. グラム陰性桿菌とグラム陽性球菌を混合した複数菌各々の分別定量は, 接種尿量の多いウリカルトEにおいてはコロニー間の隙間が狭い為に, 分別定量が不可能な結果が多かったが, 接種尿量が少ないダイアスライドにおいてはコロニー間の隙間が広いことから, 複数菌各々のシングルコロニーが得られる為に, 分別定量が可能であった。
    3. 3種類の抗菌性物質を添加した「薬剤含有菌液」を接種した結果は, ウリカルトEに対してダイアスライドが有意差をもって発育性が勝る結果だった。両者の差は, 後者においては接種する尿量が前者の1/100程度少ないことに起因すると考えられる。これにより, 抗菌性物質含有尿を対象としたDip-slide法の結果には, 接種する尿量が多いDip-slideを使用した場合には, 見かけ上の「偽陰性」が生じ得ることが示唆された。
  • 1995 年 48 巻 1 号 p. 162-
    発行日: 1995年
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Vol. 47 (1994) No. 9 p. 1146
    修正箇所:著者名
    修正内容:
    (誤) 難破煌治
    (正) 難波煌治
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