The Japanese Journal of Antibiotics
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T-3761のBioassay法による体液内濃度測定法
前花 淳子北山 理恵子松本 由紀熊野 克彦南新 三郎保田 隆渡辺 泰雄成田 弘和
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1995 年 48 巻 5 号 p. 610-620

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抄録

T-3761のBioassay法による体液内濃度測定法と体液中での安定性を検討した。
検定菌としてはEscherichia coli Kp, 測定用培地としてはHeart infusion agarを用いるのが望ましく, ペーパーディスク法が感度, 精度ともに良好であった。ペーパーディスク法によるT-3761の測定下限値は, 1/15Mリン酸塩緩衝液 (pH7.0) の場合が約0.05μg/ml, プールヒト血清の場合が約0.1μg/mlであった。また, ヒト血清および尿中のT-3761は-20℃ 以下に凍結保存すれば少なくとも28日間は安定であった。
T-3761は, グラム陽性菌およびPseudomonas aeruginosaを含むグラム陰性菌に対して広範囲な抗菌スペクトルを有し, その活性はほとんどの菌種においてOfloxacinより優れ, グラム陰性菌に対してはCiprofloxacinとほぼ同等である1)。
今回, 我々はT-3761の微生物学的定量法 (Bioassay法) による標準的な体液内濃度測定法を設定し, T-3761の体液中の安定性などについて検討したので報告する。

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