1995 年 48 巻 6 号 p. 741-748
近年, 病院内におけるMethicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA) の分離率は減少し, 代わりにPseudomonas aeruginosaの分離率が増加する傾向がある。この要因としては, MRSA院内感染の防止を目的とした院内感染対策の徹底や, 第三世代セフェム系抗生物質の使用規制が考えられる。
入院患者から分離されたP.aeruginosaに対する各種抗生物質のMICを測定した結果, P. aeraginosaに対する抗菌力は, β-ラクタム系抗生物質の中ではCefclidin (CFCL) が, アミノグリコシド系抗生物質のうちではTobramycin (TOB) が最も優れていた。CFCLの抗菌力はTOBと同等かそれ以上であった。
P. aeruginosaに対する優れた抗菌力が, CFCLの特徴であると思われた。