1995 年 48 巻 6 号 p. 790-831
T-3761の300, 100, 30, 10mg/kgをイヌに3カ月間反復経口投与し, 以下の結果を得た。
1. 投与期間中, 死亡例はなかった。症状では各投与群の少数例~全例に四肢を屈伸させた時に嫌がる反応がみられた。
2. 300mg/kg群1/10例と100mg/kg群1/8例に軽度の体重減少がみられた。
3. 尿検査で300mg/kg群5/10例, 100mg/kg群4/8例の沈渣中にT-3761由来と思われる結晶がみられた。しかし, 腎臓と膀胱にはT-3761投与に起因する異常はみられなかった。
4. 血液化学的検査で300mg/kg群1/10例にGPTの軽度上昇, 30mg/kg以上の投与群雄と10mg/kg以上の投与群雌にA/G比の上昇がみられた。
5. 関節軟骨のびらんあるいは空洞形成が, 100mg/kg以上の投与群全例, 30mg/kg群7/8例および10mg/kg群1/8例にみられた。
6. 本試験における無毒性量は10mg/kg未満と推定された。