The Japanese Journal of Antibiotics
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近年に検出した眼科由来臨床分離株に対するNorfioxacinの抗菌活性
古口 昌美鈴木 由美子田中 節子深山 成美石原 理加出口 浩一小田 清次中根 豊福本 寅雄
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1995 年 48 巻 8 号 p. 1009-1025

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抄録

1993年7月~1994年12月に, 当所において収集または分離・同定した眼科由来臨床分離株を対象として, Norfloxacin (NFLX) の抗菌活性を検討することを目的に, NFLXと対照薬剤の最小発育阻止濃度 (MIC) を測定して, 以下の結果を得た。
1.1986年~1987年に検討された眼感染症由来臨床分離株に対するNFLXのMIC分布に比較して, NFLXのMIC80が8倍以上 (3管差以上) に上昇した菌種は, Corynebacterium spp., Enterobacter spp., Serratia spp., Burkholderia cepacia, Flavobacterium spp., Alcaligenes spp. であるが, これらの菌種のNFLX耐性株の大部分はOfloxacin (OFLX) にも耐性なニューキノロン系耐性株であり, 更にその一部はアミノグリコシド系, β-ラクタム系にも耐性な多剤耐性株であった。
2. Pseudomonas aeraginosaに対するNFLXのMICはOFLXに勝っていた。
3. 眼感染症におけるいわゆる「特定菌」としてのStaphylococcus aureus, Moraxella spp., Haemophilus spp.及び P. aenuginosaに対するNFLXの抗菌活性は依然として強く, 上記の「特定菌」に対するNFLXのMIC80は0.05~1.56μg/mlであり, NFLX点眼液は眼感染症における主な臨床分離株に対するAbove the MIC, Time above MICを保持していることが示唆された。

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© 公益財団法人 日本感染症医薬品協会
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