The Japanese Journal of Antibiotics
Online ISSN : 2186-5477
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好中球数減少状態の血液疾患患者の深在性真菌症に対するFluconazoleとG-CSF製剤併用投与による臨床的検討
北村 聖宮川 清浦部 晶夫佐藤 宏大林 由明青木 功高久 史麿戸川 敦新藤 英一若林 芳久大島 年照堀越 昶野村 武夫大木 一郎鈴木 憲史鎌倉 正英小口 淳外山 圭助矢口 誠青木 延雄加藤 淳溝口 秀昭増田 道彦入江 誠治森真 由美熊川 寿郎武藤 良知守永 真一藤岡 成徳
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1996 年 49 巻 12 号 p. 1062-1072

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抄録

今回我々は, 好中球数減少状態の血液疾患患者に合併した深在性真菌症に対しFluconazole (FLCZ) とヒト組み換え顆粒球コロニー刺激因子(rhG-CSF) の併用療法を試み, その臨床効果, 安全性を検討した。また対照として以前に同施設で実施したrhG-CSFの併用を行わずFLCZ単独投与した時の成績と比較した。
総合臨床効果は有効率73.5% (25/34) であり, FLCZ単独投与時の有効率48.1% (37/77) に比較して有意に高い有効率が認められた。rhG-CSFとFLCZと同時投与およびrhG-CSF先行投与のいずれの方法においても有効率に差はなかつた。
rhG-CSFの併用にもかかわらず好中球数の増加がみられなかった症例を除き高い臨床効果が得られた事からFLCZとrhG-CSFの併用投与は好中球数減少状態の血液疾患患者における深在性真菌症のEmpiric therapyとして有意義であると考えられた。

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