The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるAzithromycinの薬物動態と臨床的検討
北村 賢司神谷 齊中野 貴司櫻井 實
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1997 年 50 巻 2 号 p. 206-214

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抄録

9ヵ月から14歳の患児35例にAzithromycin (AZM)を1日1回9.1~12.2mg/kg, 3日間経口投与し, AZMの小児感染症に対する有効性および安全性と薬物動態にっき検討した。
AZM10mg/kgを3日間投与した後の血中半減期は38.2±16.3時間(n=6,Mean±S.D.)であり, 投与開始から120時間後までの累積尿中排泄率は9.0±2.3%(n=5)であった。
効果判定が可能であった咽頭・扁桃炎5例, 気管支炎4例, マイコプラズマ気管支炎2例, マイコプラズマ肺炎10例, 他の原因による肺炎8例, 異型肺炎1例, 皮膚軟部組織感染症3例の計33例における有効率は93.9%であった。起炎菌は5例から6株が検出され, 全て除菌された。GOT, GPT上昇が1例, GPT上昇が2例にみられたが, 副作用症状は認められなかった。
以上より, AZMの小児感染症に対する有用性が示唆された。

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