The Japanese Journal of Antibiotics
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50 巻, 2 号
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  • 1995年度分離菌を中心に
    品川 長夫, 小出 肇, 平田 公一, 傳野 隆一, 向谷 充宏, 石引 久彌, 牛島 康栄, 相川 直樹, 田熊 清継, 岩井 重富, 国 ...
    1997 年 50 巻 2 号 p. 143-177
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1982年7月から外科感染症分離菌に関する多施設共同研究を行ってきているが, ここでは1995年度 (1995.7~1996.6) の成績を中心にまとめた。1年間で調査対象となった症例は192例であり, このうちの153例 (79.7%) から366株の細菌が分離された。一次感染症から164株, 術後感染症から202株分離されたが, 一次感染症では術後感染症と比較しグラム陽性嫌気性菌の分離率が高く, 術後感染症では好気性のグラム陽性菌の分離率が高かった。好気性のグラム陽性菌では, Enterococcus faecalis の分離頻度が高く, 次いでStaphylococcus aureus であり, 嫌気性のグラム陽性菌では, 一次感染症, 術後感染症ともにPeptostreptococcus spp.が多く分離された。好気性のグラム陰性菌では, 一次感染症からEscherichia coliの分離頻度が最も高く, 次いでKlebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosa などであった。一方,術後感染症からはP.aeruginosaの分離頻度が最も高く, 次いでEnterobacter spp.Klebsiella spp. などであった。嫌気性のグラム陰性菌では, 一次感染症および術後感染症ともBacteroides fragilis group の分離頻度が高かった。年次的には, 一次感染症から嫌気性グラム陽性球菌と術後感染症からEnterococcus spp. の分離頻度が高くなっていた。E.coliについて, Cefazolin (CEZ) で100μg/ml 以上のMIC を示した株が23株中3株(13.0%)あった。嫌気性菌のうち, B. fragilis group では, ペニシリン薬をはじめとしセフェム薬にもMICが100μg/ml 以上の耐性株が多くみられた。また, その他のBacteroides spp. やPrevotella spp. においても同様な傾向がみられた。
  • イミペネムを中心として
    田部 陽子, 猪狩 淳
    1997 年 50 巻 2 号 p. 178-186
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    全国の144病院臨床検査部で1992年9月から12月に各種臨床検査材料から分離された菌株の薬剤感受性をNCCLSによるK-Bディスク法により測定した。対象菌は院内感染症および市中感染症の主要起因菌であるMRSAを含むs. aureus, S. pneumoniae, E. faecalis, H. influenzae, P.aeruginosa, B. fragilis groupの6菌種。被検抗菌薬は常用抗菌薬23薬剤とした。
    菌種別に各薬剤に対する感性率はS. aureus, MRSAともにABK, NTLに対し て高い感性率を示した。S.pneumoniae, H. influenzaeは比較的多くの薬剤に感性であった。E. faecalisはペニシリン系薬剤, IPMに高率に感性株を認あた。P.aeraginosaはCAZ, IPM, AMKに対して比較的高い感性率を示した。B. fragilis groupは, IPMに高い感性率を示した。
    さらに1988年~92年の各薬剤に対する感性株比率の年次推移は,S. aureusのDMPPCに対する感性率が1991年~92年にかけて上昇し,MPIPC, CMZ, CEZ, GM, AML, NTLに対する感性率も同年間に僅かながら上昇した。P.aeruginosaはNTL, AZTに感性率の上昇傾向を示した。S. pneumoniaeでは,PCG-insensitive S. pneumoniaeの増加傾向が目立った。B. fragilis groupでは,IPMが1988年~92年を通して強い抗菌力を示した他,MINOに対する感性率の上昇が認あられた。
  • 中栄 正隆, 菅原 芳秋, 佐々木 弘子, 安井 浩美, 今井 千晶, 長谷川 やすえ, 大坂 和代, 柴崎 浩一
    1997 年 50 巻 2 号 p. 187-194
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1982年から1994年までの13年間に当院で各種臨床材料から分離されたPseudomonas aeruginosa 236株の血清型と薬剤感受性を調べ, それらの年次推移を検討した。
    血清型はG型77株 (32.6%), B型37株 (15.7%), A型28株(11.9%),E型22株 (9.3%), I型17株 (7.2%), F型とM型各13株 (5.5%), 型別不能12株 (5.1%), D型8株 (3.4%), H型5株 (2.1%), C型とK型各2株 (0.8%) の順に分離された。
    年次推移ではI期 (1982~1987年), II期 (1988~1991年), III期 (1992~1994年) で比較すると, E型がIII期で減少, F型がII, III期で減少しているのに対し, I型がII, III期で増加していた。
    各薬剤のMIC90はTosufloxacin 0.78μg/ml, Biapenem (BIPM), Ofloxacin (OFLX)3.13μg/ml, Imipenem (IPM), Ceftazidime, Cefozopran, Cefsulodin, Gentamicin6.25μg/ml, Aztreonam, Amikacin12.5μg/ml, Piperacillin, Cefoperazone, Minocycline (MINO)25μg/ml, Fosfomycin 100μg/ml, Chloramphenicol 200μg/mlであった。
    年次推移ではIPM, BIPM, MINO, OFLXのMIC90がI期に比べてIII期でそれぞれ2管上昇しており, 耐性菌の割合も年次を経るに従って増加していて, いわゆる耐性化傾向が認められた。
    各血清型と薬剤耐性の間には特に関連は認められなかった。
  • 原田 郁子, 三井 一孝, 内田 勝久, 山口 英世
    1997 年 50 巻 2 号 p. 195-199
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新規ピリドン系抗真菌化合物Rilopirox(RIL)のin vitro抗真菌活性を, 既存のピリドン系抗真菌剤Ciclopirox olamine (CPO) およびイミダゾール系抗真菌剤Oxiconazole nitrate (OCZ) を対照薬として測定した。Candida属を中心とする病原性酵母7菌種31株および病原性糸状菌15菌種17株を試験菌として選び, Neopeptone-dextrose brothを用いたミクロまたはマクロ液体希釈法により試験を行った。RILの抗菌スペクトルは広く, 酵母菌株に対するMICは1μg/ml前後, 糸状菌菌株に対しては0.5~4μg/mlと, 比較的均一な値を示した。このようなRILの抗菌活性はCPOのそれと基本的に同一であり, OCZとくらべて異なる菌種間および同一菌種の異なる菌株間で感受性の差が小さい点が特徴的であった。
  • 田島 剛, 小林 正明, 阿部 敏明, 藤井 良知
    1997 年 50 巻 2 号 p. 200-205
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児におけるAzithromycin(AZM)細粒剤の基礎的・臨床的検討を行った。対象は保護者の同意の得られた1ヵ月から8歳までの8例であった。投与方法は1回10mg/kg(力価)を1日1回3日間, 経口投与した。
    細菌感染症8例 (肺炎1例, マイコプラズマ肺炎2例, 急性扁桃炎1例, 百日咳1例, カンピロバクター腸炎1例, 感染性腸炎1例, サルモネラ感染症1例) では, 著効5例, 有効2例, 判定不能1例であった。起炎菌が判明した3例では2例で菌消失した。
    副作用が認められた症例はなく, 1例に軽度のGPT上昇がみられたが, 投与終了後に正常値に復した。
    3例について血中濃度を測定し, うち1例では血漿中濃度時間曲線下面積 (AUC~∞)および血漿中濃度消失半減期(T1/2)の算出が可能であった。投与終了後24~72時間のT1/2は45.8時間,AUC0~∞ は12.6μg・hr/mlであった。投与終了後24~72時間の尿中濃度は35.0μg/mlであった。
  • 北村 賢司, 神谷 齊, 中野 貴司, 櫻井 實
    1997 年 50 巻 2 号 p. 206-214
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    9ヵ月から14歳の患児35例にAzithromycin (AZM)を1日1回9.1~12.2mg/kg, 3日間経口投与し, AZMの小児感染症に対する有効性および安全性と薬物動態にっき検討した。
    AZM10mg/kgを3日間投与した後の血中半減期は38.2±16.3時間(n=6,Mean±S.D.)であり, 投与開始から120時間後までの累積尿中排泄率は9.0±2.3%(n=5)であった。
    効果判定が可能であった咽頭・扁桃炎5例, 気管支炎4例, マイコプラズマ気管支炎2例, マイコプラズマ肺炎10例, 他の原因による肺炎8例, 異型肺炎1例, 皮膚軟部組織感染症3例の計33例における有効率は93.9%であった。起炎菌は5例から6株が検出され, 全て除菌された。GOT, GPT上昇が1例, GPT上昇が2例にみられたが, 副作用症状は認められなかった。
    以上より, AZMの小児感染症に対する有用性が示唆された。
  • 1997 年 50 巻 2 号 p. 215-217
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
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