The Japanese Journal of Antibiotics
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小児科領域におけるTazobactam/Piperacillinの基礎的・臨床的検討
北村 賢司西森 久史庵原 俊昭神谷 齊
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1998 年 51 巻 6 号 p. 407-412

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抄録

Tazobactam/Piperacillin (TAZ/PIPC) はPIPCとβ-lactamase阻害剤であるTAZの合剤である。我々は6カ月から8歳の小児10例に対し, TAZ/PIPCを1回46.0~73.5mg/kgを1日3回, 3~13日間静脈内投与し, 本剤の薬物動態と小児感染症に対する有効性及び安全性につき検討した。
TAZ/PIPCを46mg/kg静注した時の血中半減期はPIPCが0.6時間, TAZが0.5時間であり, 投与後6時間以内の尿中回収率はPIPCが56.3%, TAZが61.6%であった。
投与した対象疾患の内訳は呼吸器感染症6例, 咽頭扁桃炎1例, 百日咳1例, 皮膚軟部組織感染症2例の計10例で, 全例投与基準並びに使用基準に適合し効果判定可能であった。
有効率は100%であった。このうち起炎菌が同定出来かつ経過を追跡し得た症例は, 2例2株 (Staphylococcus aureus 1株, Streptococcus pyogenes 1株) であり, 共に菌は消失した。
副作用としては1例に軽度の発疹がみられたが, 投与中止2日後消失した。1例に好中球減少がみられ, 1例に好酸球数の増多がみられたが, 投与終了後正常化した。

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