The Japanese Journal of Antibiotics
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尿路感染症分離菌に対する経口並びに注射用抗菌薬の抗菌力比較 (第19報1997年)
その1.感受性について
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1999 年 52 巻 2 号 p. 93-129

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抄録

1997年6月から翌年5月までの間に全国9施設において, 尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定した。尿路感染症患者から分離された菌の内訳は, グラム陽性菌が29.3%であり, その約48%がEnterococcusfaecalis, 約21%がStaphylococcus aureusであった。グラム陰性菌は70.7%であり, その約47%がEscherichia coliであった。これらの菌に対する抗菌薬の効果をみるとEnterobacter cloacaeに対してはキノロン系以外の薬剤で1996年に比べると若干抗菌力が弱かった。キノロン系薬剤の抗菌力は1996年に比べるとKlebsiella pneumoniaeに対してはMIC90でみて2~3段階強かったが, Pseudomonas amginosaに対しては2~5段階弱かった。その他の菌種に対する各薬剤の抗菌力に変化は認められず, E. coli, Proteus mirabilisに対しては一部の薬剤を除き全般的に強い抗菌力を示した。MRSAを含むS. aureusに対してはVancomycin (VCM) とArbekacin (ABK) 以外の薬剤の抗菌力は弱かったが, Gentamicin (GM) とMinocycline (MINO) のMIC50はこれらの薬剤と同等あるいは, より低値を示した。E.faecalis, Serratia marcescensに対しては全般的に抗菌力は弱かった。

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