Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
ヒキガエル交感神経節の微細構造
藤本 淳
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1967 年 28 巻 3 号 p. 313-335

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抄録

ヒキガエル交感神経節の電子顕微鏡的観察の結果, 神経節細胞はニツスル小体の量的および形態的差により, いわゆる“明細胞”と“暗細胞”とに区別される.
神経節細胞のゴルジ小胞はしばしば電子密な顆粒を内包する. その電子顕微鏡的形態は前シナップス末端にみられる抱顆粒小胞に酷似する.
神経節に存在する顆粒細胞内の特殊顆粒は副腎髄質細胞のクロマフィン顆粒に形態的に類似する. 顆粒細胞はしばしば血管周辺に存在する.
神経節内血管内皮細胞には電子密な特殊な顆粒を認めることがあり, その形態は顆粒細胞内のそれに類似する.
これらの二つの所見は神経節内の顆粒細胞が副腎髄質細胞と同様, カテコールアミン分泌に関与していることを想像させる.
節前剌戟された交感神経ニューロンにおいてシナップス小胞の結晶様集積がシナップス前膜に少し離れて観察された.
このシナップス小胞の特徴的配列は, 連続頻回剌戟によって生ずるシナップス伝達遮断に関係あるものかもしれない.

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© 国際組織細胞学会
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