Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
ジューシマツの頸動脈小体の微細構造について
小林 繁
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1969 年 31 巻 1 号 p. 9-19

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抄録
1. ジューシマツの頸動脈小体を光線顕微鏡と電子顕微鏡で観察した.
2. 主細胞の微細構造は基本的には哺乳類のそれに一致していた.
3. ひとつの主細胞の周囲に多数の神経終末がみられた. そのうちのいくつかは主細胞とシナプスを形成していたが, シナプス小胞は神経側にあることからこれらの終末は哺乳類の頸動脈小体におけると同様に遠心性と考えられた。
4. 神経終末同士の間にもシナプスが見出された. この場合シナプス小胞はしばしばシナプス結合の両側にあり, シナプス小胞の存在の有無が必ずしもシナプスの方向を示すとは限らないと考えられた.
5. 主細胞とシナプスを形成している神経終末が他方で別の神経終末とシナプス結合している像が観察された. これらは presynaptic inhibition の形態学的示標とされるいわゆる serial synapse であろうと考えられた.
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© 国際組織細胞学会
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