Archivum histologicum japonicum
Print ISSN : 0004-0681
犬鼻前庭の知覚神経分布に就て
野崎 一男泉 逸郎新妻 正助小松 誠
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1955 年 9 巻 3 号 p. 307-312

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抄録

犬鼻前庭は人間の夫と異り, 同一性状の粘膜で覆われる. 即ち粘膜は可成り厚い非角化性重層扁平上皮と微細線維性結合織の固有膜とから成り, 後者は前者に対し著明な乳頭形成を示す.
犬鼻前庭に於ける知覚線維の発達は甚だ劣勢, 人間の夫には比す成くもない. 又犬鼻尖に於けるよりも遙かに弱い. 然し其終末様式は鼻尖の場合に略ぼ一致する. 但し規模の点で遙かに劣勢である. 終末は非分岐性及び単純性分岐性終末及び終末棍で表わされ, 又稀に単純性糸毬状終末が知覚線維の走行途上に形成される. 尚お一般に複雑な終末程鼻尖の近い場所に形成される.

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© 国際組織細胞学会
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