森林応用研究
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2000年国勢調査から見る林業作業者数の変化
田中 亘
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2004 年 13 巻 1 号 p. 19-24

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抄録

本研究では2000年国勢調査のデータを用いて,産業分類上での林業従事者のうち,職業上で林業作業者に分類される者の将来推計を行った。また,国勢調査データと京都府独自の新規参入および退出者数の実態調査データを比較することでグロスの増減を捉え,より詳しい林業への参入退出動向を明らかにした。林業作業者数は1995年から2000年の5年間で58,754人から46,868人へと約20%減少した。しかし,年齢別では59歳以下までのコーホートにおいて1995年時点よりも増加しており,一般的な生産年齢においては参入超過の状態になっていることが明らかになった。最近5年間の増減率を用いた林業作業者数の将来推計では2025年を底に緩やかに回復することが示された。京都府のデータによれば5年間に272人が林業へ新規参入し,そのうち113人が既に退出しており,新規参入者に限れば159人の増加であった。国勢調査と比較照合してみると,約350人,1/3程度が林業作業者ストックから退出していることが推計され,参入退出が極めて活発に進んでいることが明らかになった。

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© 2004 応用森林学会
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