森林応用研究
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水土保全林における除伐の効果
江島 裕一松田 正宏
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2004 年 13 巻 1 号 p. 37-42

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抄録

水土保全林に区分され,スギ造林木と混入広葉樹とで混交林を呈している平均樹高3.5m,平均胸高直径3.1cmの森林において,水土保全機能の発揮と森林資源の利用を調和させた森林施業法について検討した。水土保全林に区分されていてもそこが造林地の場合,混入広葉樹が造林木の樹高とほぼ同等に成長した時点で除伐を実施して全体の本数を約3,300本/haにすれば,造林木と有用広葉樹の収穫が多く望めると考えられた。また,この除伐を実施することにより,除伐8年後には下層植生が成長し下層木の樹冠によってほぼ覆われていたことから,水土保全機能の維持も望める。水土保全林に区分され針・広混交林化した人工林での,混入広葉樹が造林木と同等の高さに成長した時点で最低1回の除伐を実施する必要性が示唆された。

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© 2004 応用森林学会
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