抄録
2008年,島根県隠岐の島町に生育するクロマツの樹皮の状態と針葉の樹脂道指数を調査してその雑種性について検討した。調査したクロマツ林において,その多くの個体が樹皮の状態からアイグロと判定された。一方,これらの個体の樹脂道指数を調査した結果,すべてクロマツと判定された。このことから,樹皮の状態からアイグロと判定される個体は,樹脂道指数による判別法ではクロマツと判定できると考えられた。したがって,隠岐の島町で樹皮の状態からアイグロと考えられる個体は,解剖学的にはクロマツと判定して問題がないと判断した。