一部の原木市売市場において相対取引を増加させるなどの商社化と呼ばれる変化が報告されている。その中でも販売形態の変化要因について明らかにすることを目的に鳥取県内の3原木市売市場と鳥取県森林組合連合会(県森連)を対象に聞き取り調査を行った。鳥取県内のA材需要の低下とB材C材需要の拡大に対して、I市場と県森連は市売の縮小を行う一方で、協定販売によってB材とC材の取り扱いを増加させていた。それに対し、Y市場とK市場は販売形態の変化は小さかった。Y市場はA材からC材まで集積する木材工業団地に所在し、供給体制についても協同組合が整備されていることからA材の取扱量を保つことができており、かつ県内外の複数の大口の需要者が安定していたことから変化の必要性が低かったためと考えられる。K市場は集荷圏の狭さによる集荷力不足から交渉力が不利であり、B材C材に対応する必要性が高くなっていたものの、相対取引への取り組みは困難であったと考えられる。原木市売市場において需要の変化は販売形態を変化させる要因となり得るが、それに加えて十分な集荷力を背景とした交渉力が販売形態の変化の必要条件と考えられる。