並材重視の森林政策の限界が顕在化するとともに,大径材や広葉樹の国内生産への関心が高まる中で,森林経営の長期性を存在意義とする森林計画制度に着目し,全国レベルの計画における大径材や広葉樹材の生産の位置付けの長期的性質の検証と,その要因の解明,現行制度のもとでの大径材・広葉樹材の確保策の検討を目的とした。三系統の全国レベルの森林計画を全て収集し分析したところ,大径材・広葉樹材生産に関する8つの論点が検出され,それらに関する記述の多くは不安定であることが明らかになった。大径材・広葉樹材の周縁性と超長期性,森林計画制度の二面性,超長期的取り組みを担保する具体的仕組みの欠如の3点がその要因と考えられた。大径材・広葉樹材確保策の方向として,個別の長期計画の立案と,公益的機能の発揮の手段としての長伐期施業や広葉樹林施業との関連付けの2つを挙げた。計画期間を超えた超長期の取り組みを担保する仕組みの開発が今後の重要な研究課題である。