1998 年 7 巻 p. 5-8
素材価格と材質との関係を数量化I類で解析した。素材の落札価格を外的基準とし,材長,直径,曲がり,節の出現状況,材色,年数,採材位置,年輪形をアイテムとして採用した。解析の結果,重相関係数=0.8465となり上記8アイテムによって価格変動の約72%が統計的に説明された。素材価格と強い相関を持つアイテムは,節,採材位置,曲がり等,また弱い相関を持つものは直径,年数,年輪形,材長,材色等となった。価格形成に対する各アイテムの影響度の順位や各カテゴリーの持つスコアは,高価な価格が期待できる素材の生産のための育林技術の開発や技術の体系化に対して大きい意義を持つといえる。