ケヤキ苗木を4水準の異なる密度(2,500, 4,500, 7,000, 10,000本/ha)に植栽した試験地の7年生までの生育状況を調査した。7年生の時点で高密度区(7,000, 10,000本/ha)は,ほぼ閉鎖していたが,低密度区は(2,500, 4,500本/ha)はまだ閉鎖に至らず,下層植生,なかでもススキが優占していた。樹高および胸高直径は高密度区の方が低密度区に比べ,大きかった。この原因としては,高密度区で早くから閉鎖し,競合するススキが減少したことによると考えられた。さらに,高密度区の方が低密度区に比べ,下枝の枯れ上がりが進んでおり,幹の細りが小さく,通直な木の割合も高かった。これらの結果からケヤキの植栽密度は7,000本/ha以上が望ましいと考えられる。
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