1998 年 7 巻 p. 147-150
当林業試験場で開発中の板状植生マットを用いて,同場内の道路法面の緑化を試みた。この調査から以下のことが明らかになった。(1)コナラ,ウバメガシ,シラカシの発芽率はCマットを除けばいずれも50%以上であった。(2)マットを設置後の2年間で,コナラは枯損率がウバメガシ,シラカシよりも明らかに低かった。(3)牧草を使用せず,木本類を中心に使用したDマットの方が牧草類を使用した他のマットよりも樹高成長量が大きかった。(4)斜面の勾配が51°,土壌硬度が29mmと大きい切土法面でも,本マットによる緑化は可能であることが示唆された。