森林応用研究
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ビッターリッヒ法を活用した収穫調査の可能性
竹内 秀行
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1998 年 7 巻 p. 159-160

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抄録

国有林野事業における収穫調査業務は,近年の材価低迷や,資材内容の若齢化が進む中で,一層正確かつ効率的に行って行くことが重要である。高知営林局においては,毎木調査法や標準地調査法などが活用されているが,効率的な調査法として,ドイツやオーストリアなどで広く活用されているビッターリッヒ法は,ほとんど活用されていない。今回はそのビッターリッヒ法を取り上げ,特に今後ますます増えてくる間伐林分の収穫調査について実用化の可能性を考えた。本法の特徴は,林内にあらかじめ均等に測点を設け,調査することにより,調査者の主観による有意性が排除されるとともに,調査精度について確率的に評価できることや,調査面積の測量がいらないことがあげられる。当局における間伐林分は,1箇所あたり平均すると20ha以上もあり,このように収穫区域が大面積にわたる場合は,林分を代表するプロットの設定は非常に難しいと考えられる。今回の方法は測点を林分の中に均等に設けることにより,経験の浅い者でも標準地の設定に悩むことなく,効率よく現実林分を反映した間伐設計ができた従って,今後ますます若齢間伐林分が増加してくる中で,有効な手段と考えられる。

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© 1998 応用森林学会
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