森林応用研究
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降水中に含まれる溶存成分の森林・林地への負荷量 : 森林総研四国支所構内における観測結果から
山田 毅吉永 秀一郎森貞 和仁平井 敬三吉田 桂子三浦 覚
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1999 年 8 巻 p. 113-116

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抄録
高知市にある森林総合研究所四国支所構内において,1991年4月から1997年12月まで観測した林外雨・林内雨・樹幹流中に含まれる硫酸イオン・硝酸イオンの濃度,両イオンの林地への負荷量とその変動について検討を行った。硫酸イオン負荷量は,林外雨・林内雨・樹幹流でそれぞれ2.63〜4.40, 3.13〜4.93, 1.13〜1.70g m^<-2>であった。一方,硝酸イオンの負荷量は,林外雨・林内雨・樹幹流でそれぞれ1.02〜1.94, 1.20〜2.08, 0.16〜0.45g m^<-2>であった。林内雨と樹幹流の硫酸イオン負荷量の和は4.26〜6.31g m^<-2>であり,林外雨の値より高い値を示した。これに対して,林内雨と樹幹流の硝酸イオン負荷量の和は1.36〜2.85g m^<-2>であり,林外雨の硝酸イオン負荷量と同等ないしはやや高い。このことは,降水が林内を通過すると,硫酸イオン負荷量が増加することを示している。
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© 1999 応用森林学会
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