2000 年 9 巻 1 号 p. 83-88
本研究は砂質土壌において,水分制限条件下で混植された生活型の異なる樹木の成長及び水分・養分動態を明らかにするため,常緑広葉樹であるタブノキ(Machilus thunbergii)と落葉樹であるコナラ(Quercus serrata)を水分条件の異なる2処理区(4mm/日,2mm/日)に混植した。水分条件の違いにより,樹高伸長,地際直径(D_5)成長及び現存量に顕著な差が現れ,両樹種ともに2mm区より4mm区でそれぞれ大きな値を示した。また,深根性の樹種コナラは,地下部現存量の比率及び単位面積当たりの養分量はともに浅根性のタブノキより大きかった。生活型の異なる両樹種間では各器官の養分含有率が違うことが明らかとなった。同一樹種の場合,N,P,Kの養分含有率及び各器官への養分配分には2処理区間で明らかな差はみられなかった。