抄録
リハビリテーションなどによる機能修復は,獲得機能に対するニューロン回路の再構築であり,成熟脳では新しいシナプス形成過程と機能再学習の2つの過程を必要とすることを述べた。機能再学習のためには,繰り返し刺激をはじめとする記憶・学習効果をあげるような方法が有効なことは経験的にも知られている。活動依存性(activity-dependent)の可塑性という概念は,シナプスの関わる記憶をはじめとする脳高次機能の獲得や修復・維持のメカニズムの基本概念といえよう。この活動依存性を担う分子の1例を紹介したが,このような研究が発展すれば,再生・機能修復を促進する薬や新しい手法の開発に役立つことが期待される。