失語症研究
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失語症者とのコミュニケーションの展開について
浅野 紀美子
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1997 年 17 巻 3 号 p. 208-212

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抄録

全失語を呈する症例のコミュニケーション行動を,次のような観点から記述した。 (1) コミュニケーションの文脈 : 患者の身体的—情動的状態に基づく文脈 (これをここでは「内的文脈」と呼ぶ) を,どう理解するか。患者の置かれた環境,患者とかかわる人,患者の生活の時間など,患者の周囲の文脈 (これを「外的文脈」と呼ぶ) を,どのようにして患者の「内的文脈」に取り込めるようにするか。 (2) メッセージ : 双方の主体のやりとり関係を維持するための行為・言語 (相互性) 。主体の意図,欲求,指示などを伝え,あるいは伝えられ,それを状況に反映させるための行為・言語 (伝達性) 。主体の知識,経験,思考などを伝え,共有するための行為・言語 (情報性) 。これらのメッセージが,どのようなかかわりのなかで交換されるか。 (3) コミュニケーションの手段 : 身体全体,身体の一部,表情,発声などの身体的表現。事物の提示や指さしによる指示的表現。ものまねや身ぶりによる象徴的表現。言葉や文字による言語的表現。これらの表現手段が,メッセージの交換のなかで変化したか。

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© 1997 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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