失語症研究
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教育ワークショップ
高次脳機能障害の薬物療法について
武田 克彦
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2001 年 21 巻 3 号 p. 201-205

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抄録
半側空間無視,注意障害,失語に対して薬物療法が試みられており紹介した。半側空間無視が注意の障害によって生じるのではないかとする説は根強い。この注意を支える脳内機構にはいくつかの transmitter が関与していると考えられる。半側空間無視に対して,TRH を用いた研究と bromocriptine を用いた研究について述べた。注意障害については noradrenalin 系の薬物が重要であることを述べた。次に失語の発話の開始などを標的に bromocriptine を投与した研究,さらに失名辞に対して cholin 作動薬を用いた研究を紹介した。またリハビリテーションと薬を組み合わせることが多いと思われるが,薬物が有効であると判断する実験デザインなどについても述べた。
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© 2001 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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