失語症研究
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原著
地域福祉・保健施設における STサービスの利用者実態調査
塚田 賢信宇野 園子神山 政恵小林 久子田村 洋子松田 江美子
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2001 年 21 巻 4 号 p. 236-241

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抄録
    東京都内の地域保健・福祉施設の利用者の実態を知り,今後の地域における STサービスの役割を考えることを目的としてアンケート調査を行った。脳血管障害により発症した364名分の利用者データを分析したところ以下の知見を得た。 (1) 地域福祉・保健施設の STサービス利用者のうち,98%が介護保険制度対象者であり,約7割が失語症者であった。 (2) 発症から地域機関がかかわるまでの期間の中央値は13.2ヵ月。1年以内に地域機関が関与した人の割合は47%で,そのうち3割強が言語訓練を受けていなかった。 (3) 発症から地域機関がかかわるまでのプロセスの中に,病院入院→病院での言語訓練→地域機関での言語訓練というステップを認めた。
    これらの結果を元に,介護保険制度実施下での地域での STサービスの必要性とサービスを提供するにあたっての課題について討論を加えた。
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© 2001 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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