失語症研究
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原著
伝導失語の病巣と利き手
—音韻の選択・配列機能の局在について—
志塚 めぐみ小嶋 知幸加藤 正弘
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2002 年 22 巻 4 号 p. 306-315

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抄録

約10年間で経験した8例の伝導失語症例について報告した。8例における利き手および大脳損傷半球の内訳は,右手利き5例,非右手利き3例,大脳左半球損傷例6例,右半球損傷例2例であった。8症例における病巣の画像所見,言語以外の高次脳機能所見について調査した結果,右手利き左半球損傷例5例における共通病巣は縁上回であり,通常の半球側性を有するヒトにおける音韻の選択・配列機能は左縁上回に局在していると考えられた。一方,変則的な半球側性が疑われる非右手利き症例の場合,言語情報処理過程の中で音韻の選択・配列にかかわる機能のみが独立して一側の半球に局在する場合のあることが示唆された。また,全例に口部顔面失行を認めたことから,流暢型失語に伴う高次口部顔面動作と音韻の選択・配列機能は,大脳における局在という点で親和性が高いことが示唆された。

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© 2002 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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