失語症研究
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原著
失語症の長期経過 (1)
—SLTA 下位項目による検討—
岩田 まな佃 一郎山内 俊雄
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1988 年 8 巻 3 号 p. 194-200

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抄録
    1年以上言語訓練を継続した失語症患者20例について,SLTA下位項目の推移を検討し,以下の知見を得た.
    (1) 理解は表出に比べ,発症初期から高得点を示した.
    (2) 表出は長期間かけてゆっくり改善したが,なかでも語想起と書字は比較的順調な改善がみられた.
    (3) 仮名障害も順調に改善するようにみえるが,課題の数や性質を考慮しないと安易に結論を出せないと思われた.
    (4) 文の復唱は改善がみられず,記銘力障害の残存が予想されたが,やはり課題の性質を考慮する必要があると思われた.
    (5) 長期間言語訓練を継続させるための条件について触れた.
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© 1988 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会)
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