1988 年 8 巻 3 号 p. 237-242
症例は 65歳, 右利き, 男性, 左視床出血にて発症後 14日目に入院.このときは超皮質性感覚失語を呈し発症 2ヵ月後には軽度の健忘性失語と失語とは独立に存在するGerst-mann症候群を認めた.頭部MRIにて病巣は視床に限局性に認め, IMP-SPECT にて角回領域を含めて左大脳半球に広範な血流の低下が認められた.左視床出血により Gerstmann の 4徴を認めた症例はいままでに 2例しか報告がない.本例は非言語性に証明された左視床出血による Gerstmann 症候群として興味ある症例と考えられる.