APU言語研究論叢
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中国語公共サインにおける関連詞の使用特徴(1)
日本の中国語公共サイン作成とともに
王  楓
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 8 巻 1 号 p. 17-29

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抄録

世界各国との交流が盛んになり、人口移動が頻繁に起こる中、日本を含む多くの国や地 域では、多言語社会の充実が進んでいる。新型コロナウイルスが世界的に流行するまでは、 在留外国人の数、年間訪日外国人の数は年々増加していた。コロナ禍の影響を受け、この 数値は2020 年に減少したものの、感染拡大が収束し、国際観光産業が回復すれば、訪日 外国人旅行者数は再び増加すると予想される。このような状況を踏まえ、多言語社会を着 実に発展させていくことが重要であり、多言語公共サインはその重要な一翼を担ってい る。しかし、日本における中国語公共サインには話し言葉の要素が多い。また、構成が緩 く、リズムのバランスが悪く、文章が長いなどの問題があり、まだまだ質の改善が求めら れている。日本における中国語公共サインの質を高めるためには、中国語公共サインの言 語特性を十分に理解する必要があるが、現在中国語公共サイン自体の言語特性に関する研 究は十分であるとはいえない。  本研究では、中国大陸で収集された中国語公共サインを主な研究対象とし、さらに台湾 で集めた中国語公共サインを補足資料として、中国語公共サインにおける関連詞の使用特 徴をまとめ、分析した。同時に、日本で収集された中国語公共サインの実例と比較し、現 段階における日本での中国語公共サインの関連詞の使用上の具体的な問題点を指摘し、適 切な改訂のための提言を行うことを試みる。

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© 2023 立命館アジア太平洋研究センター
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