APU言語研究論叢
Online ISSN : 2432-1389
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8 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • Steven Pattison, Wenqing Zhang
    2023 年 8 巻 1 号 p. 0-
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
  • 羅  華
    2023 年 8 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/28
    ジャーナル オープンアクセス
    接続詞“和”は中国語教育において初級段階の学習内容であるが、多くの場合、簡単な 語彙として認識され、十分な注意が払われていない。そのため、初級及び準中級の学習者 の“和”に対する習得状況は芳しくない。本稿は初級及び準中級学習者の作文から収集し た接続詞“和”に関する誤用文を分析し、誤用の原因及び対策について考察する。考察を 通して、“和”の誤用を引き起こす要因は、母語及び既習言語の転移以外に学習者が接続 詞“和”で結びつけられた項目間の論理関係を誤ることも一因であることを判明させた。 また、“和”の用言を結びつける使い方は、使用頻度こそ高くないものの、書き言葉の学 習が必要となる準中級からの学習段階においては無視できない重要性を有するため、指導 内容から除外するべきではないこと、さらに、接続詞“和”は語彙ではなく一つの文法項 目として認識し複数の学習段階を経て指導すべきであることを提言する。
  • 日本の中国語公共サイン作成とともに
    王  楓
    2023 年 8 巻 1 号 p. 17-29
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/28
    ジャーナル オープンアクセス
    世界各国との交流が盛んになり、人口移動が頻繁に起こる中、日本を含む多くの国や地 域では、多言語社会の充実が進んでいる。新型コロナウイルスが世界的に流行するまでは、 在留外国人の数、年間訪日外国人の数は年々増加していた。コロナ禍の影響を受け、この 数値は2020 年に減少したものの、感染拡大が収束し、国際観光産業が回復すれば、訪日 外国人旅行者数は再び増加すると予想される。このような状況を踏まえ、多言語社会を着 実に発展させていくことが重要であり、多言語公共サインはその重要な一翼を担ってい る。しかし、日本における中国語公共サインには話し言葉の要素が多い。また、構成が緩 く、リズムのバランスが悪く、文章が長いなどの問題があり、まだまだ質の改善が求めら れている。日本における中国語公共サインの質を高めるためには、中国語公共サインの言 語特性を十分に理解する必要があるが、現在中国語公共サイン自体の言語特性に関する研 究は十分であるとはいえない。  本研究では、中国大陸で収集された中国語公共サインを主な研究対象とし、さらに台湾 で集めた中国語公共サインを補足資料として、中国語公共サインにおける関連詞の使用特 徴をまとめ、分析した。同時に、日本で収集された中国語公共サインの実例と比較し、現 段階における日本での中国語公共サインの関連詞の使用上の具体的な問題点を指摘し、適 切な改訂のための提言を行うことを試みる。
  • 学習者は教師のリキャストを正しく理解しているのか
    黒田 弘美
    2023 年 8 巻 1 号 p. 30-45
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/28
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は迷惑受身の発話の誤りをリキャスト(訂正フィードバックの一つ)で訂正した場 合の学習者の気づきとその解釈を分析し、教師のリキャストが迷惑受身の運用につながる 可能性があるのか検討をした。その調査方法は、まず学習者にアニメの映像を見てもらい、 発話に誤用があった場合、リキャストを行なった。さらに、1週間後に会話の中での学習 者の思考過程を調べるため、刺激想起法による調査を行なった。その結果、学習者は教師 のリキャストに気づき正しい解釈ができている傾向があった。そして、迷惑受身の主語ま たは動詞の誤用にリキャストを行い、学習者がリキャストに気づいた場合は、迷惑受身の 運用につながる可能性があることが考えられた。学習者はリキャストに気づいた場合は、 文法規則が曖昧であることを自覚しているため、教師のリキャストに気づきやすい傾向が あった。このような場合は、リキャストをすることに効果があると考える。しかし、助詞 の誤用はリキャストする箇所が短すぎるため、気づきにくいことが考えられる。また、視 点の置き方の誤用はリキャストする箇所多いため、気づきがあっても、なぜ間違えている のか理解できない可能性があるので、迷惑受身の運用につながらないのではないかと考え る。
  • Kevin Crowley, Sam Haugh, Ryan Spring
    2023 年 8 巻 1 号 p. 47-61
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/28
    ジャーナル オープンアクセス
    In EFL teaching and research, multiword vocabulary (i.e., phrasal verbs and idiomatic expressions) is often given little attention. In Japan, emphasis is placed on learning single-word units in EFL education in order to pass entrance examinations (Yoshitomi et al., 2006). However, the lack of focus on multiword units may have consequences on learnersʼ ability to comprehend or produce natural English (e.g., Liao & Fukuya, 2004; Yasuda, 2010). Given the potential value of multiword vocabulary learning, the purpose of this study is to determine if there is such a general correlation between general English proficiency, as measured by standardized tests, and the ability to interpret phrasal verbs and idiomatic expressions. We conducted a meta-analysis of scores from multiword vocabulary tests taken by students at three different universities that include five different groups (N = 366, 688, 33, 40, and 30) and their scores on three different standardized English tests (i.e., TOEFL ITP®, TOEIC®, and Pearsonʼs Benchmark). Using a random effects meta-analysis, we found a mean effect of 0.488, indicating that there is a medium-sized general trend for students who achieved higher scores on a multiword test to also score higher on standardized tests.
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