水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
原著論文
アサリに対する異なる粒径のアマノリスフェロプラスト飼料の効果
Mohammad Nakib Dad Khan吉松 隆夫Alok Kalla石樋 由香荒木 利芳酒本 秀一
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 57 巻 1 号 p. 31-38

詳細
抄録

アマノリスフェロプラスト(PS)から調製された粒径の異なる飼料のアサリ(平均殻長33 mm)に対する効果を検討するため,飼育試験を実施した。ミネラル,ビタミンおよび魚油を混ぜて調製した 3 段階の粒径の PS 飼料(S; 6.8μm, M; 14.8μm, L; 56.6μm)と天然餌料 Chaetoceros calcitrans(C)を 1 日に 3 回ほぼ飽食量給餌し,8 週間海水中で飼育した。その結果,成長は C 区で最も良好であったが,すべての区で95.0%の高い生残率が得られた。今回の 3 段階の粒径の PS 飼料区間では生残,身入率,および肉質部の生化学組成では差は認められなかった。しかし M 区(14.8μm)で最高の体タンパク質含量と糞中の C/N 比が得られ,高いタンパク質の利用効率が伺えた。また PS 飼料区では,C 区に比べ少し肉質部に EPA が少なく,逆に,DHA が多く含まれていた。

著者関連情報
© 2009 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top