水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
原著論文
交雑魚マダイ(♀) × クロダイ(♂):F1 における大豆粕利用能とフィターゼ添加の影響
金 良洙A. K. Biswas池 承哲A. S. K. YongB. K. Biswas高岡 治村田 修滝井 健二
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 57 巻 1 号 p. 45-52

詳細
抄録

交雑魚 F1(平均体重49 g)における飼料魚粉(FM)に対する大豆粕(SBM)代替許容量とフィターゼ添加効果を,FM46%, FM30%+SBM20%および FM15%+SBM40%から成る飼料 F,S20および S40と,S40+フィターゼ2,500 units/kg 飼料(S40P)を12週間給与して調べた。飼育試験は3反復区で実施した。いずれの区でも斃死は認められなかったが,飼料F区の飼育成績や栄養素蓄積率および消化率に比べて,S40区では有意に低下し,S40P 区では類似するレベルにまで回復したが,S40区と S40P 区の間には有意差はなかった。全魚体や肝臓の一般成分,血液性状および消化器官重量に,飼料助成の違いに基づくと考えられる区間差はなく,飼料 S40P 区では見かけのリン消化率と蓄積率は最も高く,環境水へのリン負荷率は最も低かった。以上の結果から,F1 飼料での SBM 代替許容量は40%以下であったが,フィターゼ添加により SBM40%飼料の利用性が大きく改善されることが分かった。

著者関連情報
© 2009 日本水産増殖学会
前の記事 次の記事
feedback
Top