水産増殖
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原著論文
函館沿岸に生育する褐藻ガゴメ Saccharina sculpera 胞子体の季節的消長と形態形成
谷 敬志川越 力松本 世津子水田 浩之安井 肇
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2015 年 63 巻 3 号 p. 235-244

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抄録

函館市根崎沿岸において,ガゴメの季節的消長と形態形成について詳細に観察した。その結果,1~7月に発生したガゴメの1年目幼胞子体は10月までゆっくりと生長して約10 cm になり,10月~翌年1月に全てが再生した。再生現象が見られるまでに成熟する胞子体は見られなかった。2年目胞子体は1~7月の期間,著しい生長を示し7月には葉長が 2 m を超える大形体となった。8~10月には腐朽が見られ,約100 cm となるが10~11月に成熟した。標識をつけた2年目胞子体400個体のうち,約40%の胞子体で12月~翌年2月に再生が確認されたがほとんどが4月までに流失し,7月まで生長した胞子体は400個体のうち約2%だけであった。3年目胞子体は8~10月に腐朽したが10~11月には成熟した。その後,12月には全ての胞子体が流失した。

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© 2015 日本水産増殖学会
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