水産増殖
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換水率がウナギクロコの飼育成績に与える影響
三好 勝
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1976 年 23 巻 4 号 p. 173-177

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抄録

1. 流水養鰻の要素の一つである換水率についてクロコを対称として地下海水を用いて1ヵ年間実験を行った。
2. 方法はクロコを生簀へ入れたものをプラスチック製水槽へ収容した。換水率は30分, 1時間, 1時間30分でそれぞれの水槽が満たんになるように注水を続けて水が入れ替るようにした。
3. 供試材料は平均体重0.33-0.39gであった。
4. 3区の年減耗率はほぼ等しかった。また年増重倍率, 減耗を零とした年増重倍率, 1尾当り年平均増重倍率, 日間摂餌率 (年) および年餌料効率は換水率が緩慢なほど良好な成績を示した。
5. 換水率が大きいと運動のためにエネルギーが消耗し増重しにくいものと思われる。
6. クロコの養成の場合には, 水質の許容出来る範囲で換水率は緩慢な方がよいと考えられる。

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