1993 年 41 巻 2 号 p. 217-221
これまでの検討から, Pasteurella piscicidaのリボソーム沈澱画分 (RBP) および上清画分 (RBS) の有効性には差異がみられた。そこで, 本研究ではRBPとRBSの構成成分ならびに抗原性を比較した。
リボ核酸 (RNA) : タンパク: リポ多糖 (LPS) の重量相対比はRBPが100: 16: 0.57, RBSが100: 500: 0.36となった。オクタロニー法によって抗原性を比較したところ, RBPとRBSに含まれるLPSおよび精製LPSの抗原性が異なっていた。これらのことから, RBPの主成分であるRNAと微量に含まれるLPSが, ブリ類結節症に対する感染防御に有効に作用するのではないかと思われる。