水産増殖
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北海道の小川と小湖におけるザリガニCambaroides japonicusの脱皮時期と繁殖周期
川井 唯史浜野 龍夫松浦 修平
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1994 年 42 巻 3 号 p. 465-470

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抄録

1) 北海道厚田地区の小川と鹿追地区の小湖で1991年と1992年にほぼ毎月1回調査を行い, ザリガニCambaroides japonicus (De Haan, 1841) の脱皮時期と繁殖周期を明らかにした。
2) 脱皮は雌雄とも6月から10月の高水温期にみられた。
3) 精包の付着や抱卵, 抱仔状況などから, 雌は頭胸甲長18mm以上の個体で繁殖に参加するものと考えられた。
4) 雌雄の脱皮時期と雌の生物学的最小形, 繁殖周期は両地区とも, ほぼ同じであった。
5) 雌が9月と10月に交接, 9月から11月にセメント腺が発達し, 翌年の4月と5月に産卵して2~3カ月間にわたり抱卵・抱仔したのち, 8月中には稚エビを放出すると推定された。

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