1997 年 45 巻 4 号 p. 485-488
1) 兵庫県瀬戸内海域の播磨灘北東部で, 小型底曳網により漁獲された全長239±16.7mm (9月2日) のマアナゴを市販のウナギ用配合飼料を用いて飼育したところ, 飼育開始後91日目 (12月1日) には全長325±33.6mmまで成長した。また, 346日後 (8月12日) の全長および体重は, それぞれ422±39.3mm, 115.6±40.59であった。
2) 飼育水温が14℃を下回る場合, あるいは23℃を上回るようになると摂餌量が低下した。また, 飼育水温が9℃以下, あるいは25℃以上になると, ほとんど摂餌しなかった。
3) 市販の配合飼料を用いたマアナゴの飼育が, 技術的に可能であることが明らかとなり, 小形マアナゴを短期間飼育して販売単価を高めるという方法も, 資源利用の有効な手段となり得ると考えられた。