水産増殖
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45 巻, 4 号
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  • 丹羽 信彰, 横山 達也
    1997 年 45 巻 4 号 p. 437-443
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    兵庫県夢前川水系菅生川の菅生ダムより1.3km下流付近において, 陸封性であるミナミヌマエビに生体染色剤Trypan BlueおよびTrypan Redの注射法による標識放流を初めて応用し, 遡上性を見い出した。1995年6月1~4日に511個体にT.R.を, 8月16~20日に546個体にT.B.を標識放流した。放流地点より遡上したエビは16個体で, このうち最も遡上した個体は, 3週間後に64.2m上流に遡上した。また, 下流側からは標識個体は一切再捕されなかった。1996年6月10~17日に649個体にT.R.を, 7月24~29日に898個体にT.B.を堰堤の下流側に標識放流した。その結果, 8月4-5日晴天の夜間観察で, 堰堤の中段で初めて標識個体 (T.B.雄1雌1, T.R.雌1) を再捕した。標識エビは最大垂直落差が40cmで, 水面から鉛直に上方28cmの壁面を越えた堰堤の中段から再捕された。その時の状況から, 堰堤にたまった枯れ草をよじ登ってきたものと考えられる。
  • 道津 光生, 太田 雅隆, 斉藤 二郎, 山下 和則
    1997 年 45 巻 4 号 p. 445-450
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    北海道積丹西岸に立地された発電所防波堤上におけるキタムラサキウニの分布と波浪との関係を明らかにすることを目的として, 南北の防波堤の内側と外側および近傍の岩礁域に定点を設け調査を実施した。波浪環境は, それぞれの地点の各水深帯に半球形石膏を取り付け, その減少率を比較することによって評価した。同時に, 各地点の垂直面および底面における海藻植生とウニの分布密度を調査した。それぞれの地点の水深帯毎のウニの分布密度は波浪環境の変化と対応した季節的な変化を示し, 波浪が最も厳しい北防波堤外側では, 上層における分布密度が低く, 特に時化が続いた秋・冬季には垂直面全体で極めて低くなっていた。海が穏やかな春から夏季にかけては, 垂直面における分布密度が高くなっていた。一方, 年間を通して穏やかな防波堤内側では, 5m以浅にウニが多数分布していたが, これは, 防波堤水面際のごく浅い場所には, アナアオサ等の海藻がみられ, これらの海藻を摂餌するために, 浅い場所へ移動してきたものと考えられた。
  • 吉村 研治, 臼杵 考志, 吉松 隆夫, 萩原 篤志
    1997 年 45 巻 4 号 p. 451-456
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    塩分の変化がクロレラおよびワムシの体積とワムシの遊泳に及ぼす影響について, これらのPV量とワムシの遊泳個体比率を測定して調べた。
    クロレラまたはワムシを前歴塩分と異なる塩分水中に移行すると, これらのPV量は塩分が前歴塩分より低くなると吸水して増加し, 高くなると逆に脱水されて減少し, 塩分の変化によってこれらのPV量に誤差を生じることがわかった。
    クロレラのPV量 (PV, ×10-3ml) と塩分 (S, psu) の関係は, PV=43.71/S+10.26 (r=-0.837, 25℃) で近似され, 塩分による誤差をある程度補正することが可能と考えられる。
    ワムシのPV量と塩分の関係は経時的に変化し, またワムシの前歴塩分によっても異なった。このことから, ワムシが浸透圧調整能力を有し, その能力がワムシの前歴塩分によって異なることが示唆された。さらに, 塩分の変化はワムシにストレスを与え, その遊泳率を低下させた。しかし, 塩分20~30psu前後で培養しているワムシを塩分10~30psu前後の海水に移行しても, ワムシのPV量と遊泳個体比率は比較的短時間で元のレベル近くまで回復したことから, 海産魚の種苗生産現場において通常起こりうる塩分の変化では, 移行後一定時間の測定を避ければ塩分によるワムシのPV量の誤差は小さく, またワムシの生物餌料としての価値が損なわれることはないと考えられる。
  • 秋山 信彦, 伊藤 文, 諸星 啓史, 朝比奈 潔, 廣瀬 一美, 間野 伸宏, 福島 信明, 谷山 次郎, 伊藤 博
    1997 年 45 巻 4 号 p. 457-466
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1) 真珠養殖で用いる塩酸テトラサイクリン (TC-HCl) 処理核の挿核による挿核後のアコヤガイの生残率の向上と脱核率の低下を検証し, TC-HCl処理核の抗菌性, アコヤガイへの吸収および安全性についても検討した。
    2) TC-HCl処理核はEdwardsiella tarda NuF84, Enterococcus seriolicida NG8206, Vibrio sp. KP-01, V.anguillarum, Pseudomonas fluorescensの5種に対し阻止円を形成したことから抗菌性があると考えられた。
    3) TC-HClを200~220μg塗布した核を挿核したアコヤガイの組織中のTC-HCl濃度は, 内臓塊が最も高かった。また個体総TC-HCl量の平均値は6時間後に最高値の133μ9となり, 7日目には約10μ9となった。
    4) 通常の4倍量である800~880μgのTC-HClをアコヤガイに投与し, 無給餌飼育した。その結果, 45日後の生残率がTC-HCl処理核を挿核した場合に86.7%, TC-HClを塗布せずに挿核した場合に63.3%, 挿核手術をしなかった場合に83.3%であり, TC-HClを800~880μgまで投与してもアコヤガイの生残に影響を及ぼさないと考えられた。
    5) 高知県と愛媛県で合計8000個体のアコヤガイに4回に分けてTC-HCl処理核と未処理核を挿核し生残と脱核を比較した。その結果, 全ての場合でTC-HCl処理核を挿核した方が未処理核を挿核した場合より生残率が高かった。脱核率についても1例を除き全てでTC-HCl処理核を挿核した方が低かった。従ってTC-HCl処理核をアコヤガイへ挿核することによって, 従来の核を挿核するより生残率が向上し, 脱核率も減少することが明らかとなった。
  • 藤井 明彦, 大橋 智志
    1997 年 45 巻 4 号 p. 467-477
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1987年4月から1990年9月にかけて対馬厳原町阿連地先で採取された殻高31~145mmのサザエ1, 544個体を用い, 生殖腺指数 (GSI) , 生殖腺組織の季節変化を観察して, 本種の生殖年周期について調べた。
    GSIは, 4.月から急激に増加し, 5~7月の間にピークに達した後, 8月, 年によっては9月にかけて減少した。生殖腺の組織学的観察では, 4月以降卵巣で卵黄の蓄積, 精巣で精子形成が活発化し, 5~7月上旬の間は成熟卵と精子で満たされ, 9月にかけては生殖細胞を放出した個体が観察された。したがって, 本海域における産卵期は6~8月で, この間の水温は20~24℃であった。なお, 成熟盛期や産卵期の長さには年によって相違があった。
    また, 年齢別の孕卵数は, 3歳19万個, 4歳61万個, 5歳89万個となり, 殻高80mmを越えた4歳以上で急に増加した。今後, 再生産を確保して資源増殖を図るためには, 3歳以下の保護を考慮する必要がある。
  • 田子 泰彦
    1997 年 45 巻 4 号 p. 479-483
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    大量放流用の標識として切除したサクラマスの背鰭及び腹鰭の再生状況を明らかにした。背鰭切除後約8~9カ月経過した群では, 再生が認められた個体割合は71.9~79.5%で, そのうちほぼ完全に再生した割合は5.2~27.7%であった。腹鰭切除後約8~9カ月経過した群では, 再生が認められた個体割合は50.7~86.4%で, そのうちほぼ完全に再生した割合は8.1~38.3%であった。鰭切除後約27~28カ月経過したサクラマス親魚では, 51.5%の腹鰭がほぼ完全に再生していた。
    これらの結果は, 背鰭や腹鰭標識によって放流した幼魚の回帰率は実際よりも低く算定されたことを示しており, 放流魚のより正確な回帰率を得るためには, 脂鰭切除標識に加えて耳石標識やCoded Wire Tagなどの内部標識を組み合わせて用いるべきだと考えられた。
  • 五利江 重昭, 大谷 徹也
    1997 年 45 巻 4 号 p. 485-488
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1) 兵庫県瀬戸内海域の播磨灘北東部で, 小型底曳網により漁獲された全長239±16.7mm (9月2日) のマアナゴを市販のウナギ用配合飼料を用いて飼育したところ, 飼育開始後91日目 (12月1日) には全長325±33.6mmまで成長した。また, 346日後 (8月12日) の全長および体重は, それぞれ422±39.3mm, 115.6±40.59であった。
    2) 飼育水温が14℃を下回る場合, あるいは23℃を上回るようになると摂餌量が低下した。また, 飼育水温が9℃以下, あるいは25℃以上になると, ほとんど摂餌しなかった。
    3) 市販の配合飼料を用いたマアナゴの飼育が, 技術的に可能であることが明らかとなり, 小形マアナゴを短期間飼育して販売単価を高めるという方法も, 資源利用の有効な手段となり得ると考えられた。
  • 横川 浩治
    1997 年 45 巻 4 号 p. 489-495
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    香川県沿岸の瀬戸内海に種苗放流された韓国産キジハタについて, 日本産のものとの形態的および遺伝的差異について調べた。形態形質について, 計量形質では多くの部位において両者間で平均値に有意差が認められ, 特に吻長, 眼径などにおいて顕著であった。計数形質でもいくつかの形質で平均値に有意差が認められ, 特に臀鰭軟条数では両者の頻度分布が明瞭に分離していた。遺伝形質では, AAT-2, EST, LAP, MEPなどの遺伝子座において両者の遺伝子頻度に有意差が認められ, 特にAAT-2EST遺伝子座において遺伝子頻度の差が顕著であった。両者間の遺伝的距離 (D値) は0.0052となり, その関係は少なくとも地方品種間の水準であることが示された。以上の結果から, 韓国産キジハタは日本産キジハタとは異なる系群であることが示唆された。
  • 溝入 真治, 竹下 直彦, 木村 清朗, 多部田 修
    1997 年 45 巻 4 号 p. 497-503
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    九州にはアリアケギバチPseudobagyus auyantiacusとギギP.nudicepsの2種のギギ科魚類が生息することが知られている。これら2種のギギ科魚類の九州における正確な分布を明らかにし, アリアケギバチの現在の生存状況を把握するため, 各河川で採集, 聞き取りおよびアンケート調査を行った。その結果, アリアケギバチは14水系27河川に生息を認めた。ギギは九州北東部の瀬戸内海に面する11水系に連続分布し, さらに球磨川に不連続分布すること (人為移入と思われる) を確認した。一部の河川の限られた流域ではアリアケギバチの個体数は増加傾向にあるが, 各水系内の流程分布は依然, 局所的であると考えられた。
  • 石川 春彦, 高橋 計介, 森 勝義
    1997 年 45 巻 4 号 p. 505-511
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    イワガキCrassostrea nipponaの組織に殺菌因子が存在することを明らかにし, その成分について検討した。組織抽出液に溶菌活性がみられたことからリゾチーム様分子が存在することが示唆された。そこでリゾチーム様分子が主要な成分として機能しているのか, 他の殺菌成分が存在するのかを検討するために, 殺菌活性とリゾチーム様活性の相互関係について各組織での活性の強さ, 採取時期の違いによる活性の変動, そして活性におよぼすpHと温度の影響の点から調べた。殺菌活性とチーム様活性は, 消化盲嚢部で最も高く, 最高活性を示す時期も一致したが, 至適pHや熱耐性は異なるなどリゾチーム様成分以外にも殺菌成分が存在することが示唆された。さらに, 溶菌性を示さない殺菌タンパク画分を陽イオン交換クロマトグラフィーによってリゾチーム様成分から分離することができた。本研究の結果, イワガキの殺菌因子は少なくとも2つの成分からなることが明らかとなった。
  • 山元 憲一
    1997 年 45 巻 4 号 p. 513-517
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    イシダイで, 鰓換水量の直接測定が可能な呼吸箱を用いて, 酸素飽和および酸素飽和度を順次低下させた状態について酸素消費量, 毎分鰓換水量, 呼吸一回の鰓換水量, 呼吸数, 鰓酸素利用率を調べた。
    イシダイは他の魚種と比較して酸素飽和の状態で著しく大きな呼吸数 (106stroke/min) を示したが, 酸素飽和の状態および低酸素の状態での鰓での酸素摂取は他の多くの魚種と同様に行っていると推測した。
  • 吉川 昌之
    1997 年 45 巻 4 号 p. 519-526
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    人為的成熟過程におけるニホンウナギの魚体内でのL-アスコルビン酸 (AsA) とα-トコフェロール (Toc) の分布と移動について調べた (n=1) 。その結果, 成熟促進ホルモンとしてサケの脳下垂体 (20mg/尾/週) を与えた試験区においては, AsA, Tocともに, 成熟が進行するにつれて卵巣に分布する割合が増加し, 筋肉に分布する割合が減少して, 両ビタミンが筋肉から卵巣に移行していることが示された。ただし, AsAの筋肉から卵巣に移行した割合に比べると, Tocのその割合は低く, TocはAsAに比べると魚体内を移動しにくいものと推測された。一方, 生理食塩水を与えた対照区においても, 相対的に卵巣に多量のAsAが分布しており, 卵巣にはもともとAsAが多く分布するらしいことが示された。しかし, Tocの卵巣における分布はきわめて少なく, 大半が筋肉に分布していた。試験期間の後半になり, 対照区の筋肉におけるAsAの分布の割合が若干減少したが, これは無給餌, あるいはストレスによるものと推測された。一方, Tocにはそうした現象はみられなかった。
  • 阪本 憲司, 沖増 英治, 雨村 明倫
    1997 年 45 巻 4 号 p. 527-532
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    各種微細藻類 (Chaetoceros gracilis, Chaetoceros calcitrans, Pavlova lutheri, Nannochloropsis oculata) のマガキ幼生に対する餌料価値を検討した。各藻類を単独給餌したマガキ幼生の成長・生残は, C.gracilis, C. calcitransおよびP.lutheyiを給餌したもので良好であった。一方, N. oculataはマガキ幼生の餌料に適していなかった。各藻類の細胞成分を分析した結果, 蛋白質含量に大きな差はなかった。また, 炭水化物含量は, C. gracilisでやや低かったものの各藻類に大きな差はなかった。脂質含量は, P. lutheriN.oculataで高く, 乾燥重量当たり各々29.4%, 27.6%であった。全脂肪酸に対するエイコサペンタエン酸 (EPA) 含量は, P. lutheriN. oculataで高く, 各々26.5%, 32.2%であった。一方, ドコサヘキサエン酸 (DHA) は, P. lutheyiで含量が高く, N. oculataでは認められなかった。本試験で, マガキ幼生に対する餌料価値が最も高かったのはC. gyacilisで, 次いでP. lutheri, C. calcityans, N. oculataの順であった。これらの結果から, 各藻類の細胞成分, とくに炭水化物と脂質の各含量と, マガキ幼生の成長・生残率との関連は認められなかった。しかし, 餌料藻類のDHA含量が, マガキ幼生の成長・生残に影響を及ぼす制限因子であることが推察された。
  • 原田 勝彦, 宮崎 泰幸, 前田 弘, 佐藤 浩司
    1997 年 45 巻 4 号 p. 533-537
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    漁業者並びに遊漁者が用いている釣り餌素材12種類中に含まれる摂餌誘引成分の可能性をさぐるため, それら素材の一般成分を調べ, その結果と前報で求めたクロアワビに対する誘引指標との相関関係を重回帰分析によって求めた。一般成分6種類は誘引指標との関係において次のように分けられる: 1) 多く含まれるほど誘引指標が大きくなる・・・・・・タンパク質と炭水化物。2) 小さくなる・・・・・・脂質。3) 関係がない・・・・・・灰分, 水分とエキス。すなわちタンパク質と炭水化物成分を多く, 一方脂質成分を少なく含む餌素材が誘引に最適で, このような餌素材は前報で認めた最強の誘引を示したべッコウカサガイがあてはまる。
  • 原田 勝彦, 宮崎 泰幸, 前田 弘, 佐藤 浩司
    1997 年 45 巻 4 号 p. 539-546
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    漁業者並びに遊漁者が用いている12種の釣り餌素材中の誘引物質を明らかにするため, アミノ酸含量を求めた結果とすでに求めた誘引指標との関係を重回帰分析によって調べた。その結果18種のアミノ酸含量は誘引指標との間に次の関係が認められた。1) 含量の増加とともに誘引指標が大きくなる…アルギニン他3種2) 小さくなる…アスパラギン酸他5種3) 無関係である…バリン他6種。ヒスチジンは1) に近いが2) の可能性を完全には否定できない。12種の餌素材の中では, 最強の誘引性を示したべッコウガサガイがこの条件に最もよくあてはまる。
  • 宇川 正治, 滝井 健二, 中村 元二, 熊井 英水
    1997 年 45 巻 4 号 p. 547-553
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    魚粉の40%を生大豆油粕 (RSBM) , 市販加熱大豆油粕, エクストルーダー処理大豆油粕 (ESBM) , 濃縮大豆タンパク質 (SPC) , 分離大豆タンパク質, 大豆タンパク質ペプチドおよび加熱無脱脂大豆 (FFSB) にそれぞれ代替した飼料を, 平均体重220gのトラフグに飽食給与して43日間飼育し, 各種大豆タンパク質の利用性について検討した。
    ESBM, SPCおよびFFSB代替区では, 他区より優れた増重が得られた。飼料効率, タンパク効率および見掛けのタンパク質蓄積率は, ESBM代替区が最も高く, RSBM代替区が最も低かった。全魚体, 肝膵臓の一般成分あるいは血漿成分と飼育成績との間に明らかな関連性はみられなかった。これらの結果から, トラフグ用シングルモイストペレットの魚粉代替タンパク源としてESBMが有効であることが明らかになった。また, FFSBも利用可能であることが示唆された。
  • Young Jin CHANG
    1997 年 45 巻 4 号 p. 557-564
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 高 楠表
    1997 年 45 巻 4 号 p. 565-571
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 45 巻 4 号 p. 573-578
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
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