アーカイブズ学研究
Online ISSN : 2434-6144
Print ISSN : 1349-578X
論文
文学研究資料の未来をめぐる一考察
-編集文献学とアーカイブズ学の狭間で-
明星 聖子
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2009 年 11 巻 p. 92-111

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抄録

文学研究は何に基づいておこなわれるのか。本か、テクストか。この問いは、書籍のデジタル化が急速に進行するなか、文学研究の領域できわめて大きな意味を持ち始めている。編集文献学は、すでにここ数年、この問いに向かい合ううち、書物の物質性の<再現>をめぐって深刻なジレンマに陥っている。このジレンマは編集文献学を、いずれはアーカイブズ学と呼びうる領域へと徐々に引き寄せていくことだろう。本稿は、人文学系の研究資料に関して最重要といえる「オリジナル」の概念をめぐって考察を深めながら、文学研究資料をめぐる未来の学問動向について、予見的に語るものである。

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© 2009 日本アーカイブズ学会
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