2018 年 29 巻 p. 62-76
政府・自治体の情報公開とアカウンタビリティ(説明責任)との関係につき、日本の現状をもとに論じる。まず、この点に関する行政学での議論・位置づけ、特に「広義の情報公開」について、西尾勝の教科書での記述をもとに概観する。その上で、「情報のストックと長期的利用のための機関」としてのアーカイブズ(公文書館)・図書館などが、「広義の情報公開」にどのような役割を果たしうるか、また政府・自治体の情報の電子化・多様化に対してどのような課題があるか、といった点を記述する。最後に、自治体法務といった近年の行政活動の動向にも触れつつ、アカウンタビリティを「遡及的検証の実現」という観点で位置づけ直す必要性を論じる。