教育心理学年報
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I わが国の最近1年間における教育心理学の研究動向と展望
成人期・老年期における発達研究の動向
西田 裕紀子
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キーワード: 生涯発達, 成人期, 老年期
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2014 年 53 巻 p. 25-36

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抄録
 本稿では,2012年7月から2013年6月の1年間に日本で公表された,成人期・老年期の発達に関心をもつ心理学研究の動向を展望した。まず,研究の成果を「育児・親としての経験」,「夫婦関係」,「高齢者の心的発達・well-being」,「認知機能・知能」,「その他」の5つのテーマに分類して概観し,個々の研究に関して,新しい発見や生涯発達研究への示唆,今後の課題について論じた。それらの結果から,以下の全体的な傾向が指摘された。まず,成人期・老年期の心理的発達に関する論文の数は,例年と同様に多くはなかった。しかしながら,これまで研究が少ないと指摘されてきた夫婦の関係性に関する論文や,高齢化にともなって社会的な要請の強い高齢者の心的発達・well-beingに関する論文などが精力的に発表されており,この1年間の研究成果は,我が国の生涯発達研究の今後の進展に貢献するものと考えられた。最後に,成人期・老年期の発達研究の重要性と難しさ,今後の展望を議論した。
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© 2014 日本教育心理学会
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