教育心理学年報
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I わが国の最近1年間における教育心理学の研究動向と展望
青年期・成人期・老年期における発達研究の動向
日下 菜穂子
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2015 年 54 巻 p. 16-29

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抄録

 本稿では,2013年7月から2014年6月までの期間に,日本において発表された青年期・成人期・老年期の発達研究を概観したものである。1年間の研究は,認知・知能に関する発達研究,自己・自我の発達に関する研究,社会的行動・関わりの発達研究,進路・キャリア・社会参加の5つのテーマに分類した。この1年に,認知・知的機能に関する領域を中心に,青年から老年までの成人期全般にわたる幅広い年齢を対象とした研究が報告されていた。年齢的変化を検討する研究に加えて,個人の発達の過程を他者の発達と関連づけた研究や,文化や社会との相互作用に注目する生涯発達的視点からの研究も活発に行われていた。1年間の発達研究には,臨床や教育の場における実践的な応用を念頭におく研究が目立ち,臨床実践から研究への示唆を含む研究も見られた。発達研究の概観を通して最後に,発達の基礎研究と臨床実践との間の往還的関係の重要性について論じた。

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© 2015 日本教育心理学会
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