2025 年 64 巻 p. 48-65
本稿の目的は,近年の教育社会心理学に関する研究の動向を検討することであった。まず,教育社会心理学の範疇について議論し,学校で行われる教育や介入だけではなく,学校外で行われる教育や介入,コミュニティへの介入にも注目する必要性を指摘した。次に,日本教育心理学会第66回(2024年)総会における研究発表と,2023年7月―2024年6月に刊行された『教育心理学研究』(第71巻3号―第72巻2号)を中心に,教育社会心理学研究の動向を検討した。最後に,学校外で行われる教育や介入,コミュニティへの介入についての動向を検討するとともに,課題と今後の展望について議論した。