アレルギー
Online ISSN : 1347-7935
Print ISSN : 0021-4884
ISSN-L : 0021-4884
花粉喘息の特徴
信太 隆夫降矢 和夫水野 勝之我妻 義則松山 隆治宮田 亮
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 19 巻 10 号 p. 739-751,800-80

詳細
抄録

現代日本で最も普遍的な花粉症の原因花粉はスギ花粉で, 次いでヨモギ, イネ科, ブタクサなどが重要である.スギの抗原としての独立性は高く, イネ科, ヨモギ, ブタクサあるいはシロザなどが時に相互に類似性を示すことと対照的である.いわゆる花粉症と花粉喘息を比較観察し次の結果を得た.1)花粉喘息の発症年令は花粉症より若く, かつ2峰性の分布を示す.2)花粉喘息は花粉症を繰返して生ずるより初めから喘息として発症することが多い.3)花粉喘息のAch感受性は明らかに高い.4)花粉症の発作季節は原因花粉飛散季節と一致するが, 喘息ではしばしば春秋型をとり, 必ずしも花粉季節と一致しない.5)花粉症も花粉喘息も主因外花粉に対する皮内反応はほゞ同様の傾向を示すが, 花粉以外のHDや真菌類に対しては花粉喘息は明らかに高い陽性率を示す.6)花粉喘息のPK価は皮内反応の閾値との関係において花粉症のそれより低い.

著者関連情報
© 1970 日本アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top