ホヤ喘息患者において, 皮内反応を指標として, ホヤの抗原活性成分を化学的に精製した.ホヤより加熱, 濾過, 硫安塩析, アセトン脱脂, 透析, クロロホルムによる除蛋白およびゲル濾過クロマトグラフィーなどの操作により, 従来つくられたいずれの抗原液よりも安定, 協力, 均質で, 精製された抗原活性成分を分離することができた.このものの収量は, シロボヤ3kgより約30mgで, 淡褐色, ゼラチン様の外観を呈し, 水によくとけ, 分子量は, 約10万と推定された.この成分の化学的実体にていては, ひきつづき検討中である.ホヤ喘息患者における本抗原成分による皮内反応閾値は, 症例によっては1600万倍以(0.06μg/ml以下の濃度)で, P-K反応は陽性, 結膜反応は陰性であった.
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